情報病ステージIII: 他人を気にする生き方を押し付ける

情報病のステージIとIIの人は、心の中では他人とくらべて生きるのが嫌だと思っています。しかしステージIIIになると、その本音を心の奥底に閉じ込めて「他人とくらべて勝てるように生きよう。それはすばらしいことだ」とみずからを洗脳して、スペックを高めることに生きるようになります。

ステージIIからIIIに進む人は、負けず嫌い・素直・真面目なタイプです。良い意味で「てきとうな人」は、他人とくらべて生きるのが嫌だという本音にしたがうため、ステージIIIに進みません。しかし負けず嫌い・素直・真面目なタイプの人は、本当の自分を閉じ込めてでも目的を達成しようとします。

他人の目を気にする生き方を押しつける

ステージIIIでは、「みんなも(私のように)他人の目を気にしてスペックを高めようとすべきだ」と他人に押しつけるようになります。なぜなら、他人とくらべずに好き勝手に生きたい本音を我慢しているので、実際にそうやって生きている人を見ると許せないからです。

例えば、経歴・肩書・地位のようなスペックにこだわっている場合は、「人は何者かにならなくてはいけない」「自分は辛かったのだから、あなたも同じように辛くなるべきだ」「遊んでいるといつか不幸になるぞ」といった押しつけになります。情報病でない人(他人とくらべる目的ではなく、単純に仕事が好きな人)は、経歴を積む生き方を他人に押しつける必要がありません。誰に何を言うこともなく一人で経歴を積んでいきます。

もし容姿のスペックにこだわっている場合には、「人は美しくあるべきだ」「自分が美しくなるように努力しているのだから、あなたも同じように美しくなろうとすべきだ」「美しくないと不幸になるよ」といった押しつけになります。やはり、情報病でない人(単純に美容が好きな人)は、美しくなることを他人に押しつける必要がありません。一人で美容を楽しんでいきます。

やがて自傷行為になっていく

最終的に情報病が進行すると、スペックを高めたいのに永遠に理想に達しない現実を前に、自分をめちゃくちゃにしたい気持ちや、死にたい気持ちになってきます(自傷=じしょう、自分を傷つけること)。「スペックを高めるためにすべてを犠牲にすることは美しい」とさえ思いこむようになります。これは重度のアルコール依存症患者の「酒を飲んで死ぬならかまわない」といった自傷的な考え方と同じです。

例「働いて死ぬならそれで結構、それが美しい」「美容整形で破産するならそれでもかまいません。本望です」など

まわりの人のサポートが必要

ステージIIIは、自分自身を洗脳してしまうため、情報病の自覚は持つことはさらに難しくなります。この文章を読んだとしても「自分のスペックを高めようとすることの何が悪い」と怒りの感情で否定される可能性が高いでしょう。しかし本人は、頑張っているのに何か満たされない感覚や、あせる気持ちや、心のどこかでなんとなくおかしいことは分かっています。本人が回復に向かうには、アルコール依存症と同じように、家族や友人など信頼できる人からのサポートが必要です。また脳や精神的な病気になってしまっている場合には、考え方を変えるだけでは回復は難しく、医療のサポートが必要です。

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